「沙織、無視?」
「……そうだって、言ったら?」
思い切って大胆なことを言ってみる。
優斗を見上げると、少し目を見張っていた。
かと思えばまた優しい笑顔に戻る。
「ずるいね、沙織って。」
「ずるいのは優斗じゃんか。」
少し投げやりに言って、俯く。
ここまで言っても優斗は私の気持ちをスルーしてくる。
本当にいじめたいのか、それとも脈なしなのかどっちなの。
後者なんだろうけどさ。
「お前らさ、電車の中でいちゃつくなよ気持ち悪りぃ。」
一人落ち込んでいたら、隣から誠の声が聞こえてきてはっとした。
ま、誠だけじゃなくここ電車の中だっていうのに私ってば何大胆なことして……!
恥ずかしすぎて二人の顔を見れない。
優斗は小さく笑ってるし。
本当に余裕があっていいよね、この男。



