ーーー私の名前は森下 沙織(もりした さおり)。
高校二年になって1ヶ月が過ぎた今、やっと新しいクラスにも慣れてきた。
ちなみに一年の時も二年も誠と好きな人、二人と同じクラス。
二年のクラス表見たときの嬉しさといったらやばかったな。
なんて思いながら、誠と二人、電車に揺られていた私。
少しの間乗っていると、ようやく好きな人が乗ってくる駅がやってきた。
じーっとドアの外を見つめる。
………見つけた。
眠そうにしながら、同じ制服を着て立っている人物を。
電車が止まり、ドア越しに彼と目が合った。
すると彼の顔が綻んだところでドアが開き、乗り込んでくる。
「沙織だ。
今日は早いんだな。」
私の好きな人である彼も、誠同様にかっこいい。
くっきりした二重の目は少しタレ目で、笑うと細められる。
爽やかに笑う彼の笑顔に、私は何度ドキドキさせられたことだろう。



