そして準備を終えた後、俺はその女の近くに行く。



女もテスト勉強をしていたようで、チラッと見える問題集にはたくさん書き込みがされていた。



今はそれどころじゃないと思い、その女の肩を軽く叩く。



「……んん…」



案外すぐ反応を示し、ゆっくりと上体を起こす女。



そして俺の方を見て、目が合った。



どちらかといえば、見た目は沙織と逆のタイプ。
可愛い感じの、童顔の女で。



「もう図書室、閉めるから。」



と俺が言っただけなのに…



「と、と、東崎くん…!!?」



突然大慌てし、そのまま立ち上がったかと思えば勢い余ってバランスを崩してそのまま床に尻もちをつく女。