ーーー「図書室閉めたいから、片付け始めてくれる?」
その声にはっとする。
視界に映るのは一冊の問題集。
今はテスト期間。
沙織が気を遣ってか、優斗と付き合ってるくせに俺と優斗で帰れってうるさいから
逆に俺が気を遣い、こうやって図書室に勉強しにきていた。
先生の声がしたから立ち上がり、問題集を鞄に直す。
その時、ふと前にある別の机を見てみれば
そこで勉強していたのだろう一人の女が、腕を枕にして完璧に寝ていた。
先生の声も聞こえてないのだろう。
まだ寝ていた。
「すいません、俺鍵閉めて返すんで職員室戻ってもらって大丈夫です。」
「あら、そう?
ならお願いしようかしら。ありがとう。」
俺の言葉に先生は頷き、お礼を言って図書室を後にした。



