それは中二の時の放課後。



もう校舎に生徒はほとんどおらず、たまたま残っていた俺が隣のクラスの横を通り過ぎようとした時……




『てかさ、絶対あそこの二人付き合ってるよな!
東崎と森下!』



『確かに!
幼なじみらとか言いながらだよな!』



思わず足を止めた。



きっと“不良”って言葉が合うやつらがクラス関係なく、そうやって教室で溜まって話していた。



『俺思ったんだけどさ。
絶対やってるよな〜。』



『お前何言ってんだよ!』



『いや、だって家真ん前なんだろ?
行き来し放題じゃん!俺ならとっくにやってるわ〜』



『やべぇこいつ。
中学生の言う言葉かよ!』



ぎゃはは、と汚い声で笑う奴ら。



それだけならまだ許せた。
腹が立ったけど、そのまま通り過ぎようとしたら……




『もうやってるならさ、森下って俺たちもやらしてくれんじゃね?』





その言葉はどうしても聞き逃すことなんてできなかった。