「そうだ。
今度さ、沙織俺の家来てよ。」
「え?なんで急に?」
「紹介しようと思って。
俺の彼女だって、両親に。」
「……っ、優斗……」
あまりにも自然に、いつも通り優しく両親って言うものだから、思わず嬉しくて泣きそうになる。
「ちゃんとね、これからは向き合おうと思って。」
「……うん、そうだね…!
私も支えるよ、ちゃんと。」
「ありがとう。」
両親について、あんなに弱々しかった優斗だけど、今は真っ直ぐ前を向いている優斗。
そんな優斗が本当にかっこよく思ったけど、調子にのるからやっぱり言ってあげない。
「じゃあさ、ちゃんと向き合えたらご褒美ちょうだいね。」
「ご、ご褒美……?」
「うん!沙織からのキスとか。」
「……もう知らない。」
「嘘だよ嘘。
もー、怒らないでよ。
そんな沙織も好きなんだけどね。」
「なっ…!」
本当に一度好きと言い始めたらとことん言うんだから。



