「本当誠ってかっこいいよなぁ。
あんな風に俺もなりたい。」
誠が家を出るなり、そう呟いた優斗。
「優斗も十分かっこいいよ。」
「……そんなストレートに言わないでよ。
またキスしたくなる。」
「なっ……ダメ!
お母さんもう直ぐ帰ってきちゃう!」
急いで優斗から距離をとれば、小さく笑う優斗。
「なら帰らないとね。
次会えるのは月曜日かぁ。
今のうちにいっぱい抱きしめとこう。」
もう直ぐお母さんが帰ってくるって言ったばっかりなのに。
結局優斗に抱きしめられた。
もちろん私も嫌じゃなかったから、抱きしめ返す。
ああ、好きだなって。
その度に実感するんだ。
今までたくさん泣いたけど、今が本当に幸せだからもういいやって思ってしまう。
「沙織、本当に好き。」
そう言って力を強める優斗は、いつも以上に甘い気がした。



