「映画館…」
「え?」



「沙織、誠と映画行かなかったか?」



そう言われ、ハッとする。
確か誰かにつけられてた時のことだ。



そうだ、あの時の写真だきっと。
それなら心当たりがあった。



でも……



「あの時誰かにつけられてたの。
数人くらい。


それで誠は私を安心させるためにそうしただけで、その後誠ね、喧嘩してた……。


だから全部誤解。
キスだってしてない。


そもそも写真撮られてる時点で優斗は不自然だなって思わなかったの?」



私が全部話すと優斗は驚いた表情をした。



と思えば途端にうなだれるような格好に入る。



「確かに、不自然だ。
……最低だ、俺。


なんで気づかなかったんだろ。
俺が勝手に誤解した、だけ?」



「そうだよ、誤解。
私が好きなのは優斗だから。」



でも確かにキス未遂とか、抱きしめられたのは事実だ。



私にも非がある。