私はそのまま起き上がると、誠がちょうど優斗の胸ぐらを掴んでいた。
できるなら見たくなかった、こんな光景。
こうなったのは私のせい?
「お前はなんでいつも沙織のことなると周り見えねぇんだよ、このバカが!
お前が騙されてるんだ、見てわかんねぇか!?
なんで仲間の俺じゃなしに敵を信じるんだよ!」
仲間?
敵を信じる?
言ってる意味がわからなかったけど、とりあえずケンカではないことはわかった。
怒ってくれてるんだ、きっと。
私のために、優斗のために。
優斗を大切に思ってるのは、私だけじゃないよ。
誠もこうやって考えてくれてる。