ゆっくりとベランダから見下ろすと、そこには逆に見上げる優斗がいて。
スマホを耳に当てながら、久しぶりの優しい笑顔を浮かべていた。
泣きそうになる。
『そんな顔しないで。』
スマホ越しからと、直接優斗の声が聞こえてくる。
「だって……」
寂しかった。
苦しかったの。
『そんな顔、させてごめん。』
優斗もどこか切なげに笑った。
その笑顔を見て余計苦しくなる。
「ううん、気にしないで。
ただ……」
理由が聞きたい。
そう言おうとしたら、その前に優斗が私の名前を呼んだ。
『沙織。』
どこか愛おしそうに、目を細めながら。



