電話は、いいよね。
やっぱり無視するのは辛くて、声が聞きたくなって電話をとった。
『……もしもし、沙織?』
その声が優しかったから、涙がじわりと目に浮かんだ。
「う、ん…そうだよ……」
ねぇ、どうして私の家に来たのって。
理由が聞きたいけど無視してる身だから聞けない。
すると……
『ね、沙織。
どうしてインターフォン鳴らしたのに出てくれないの?』
優斗から私に聞いてきた。
一瞬ドキッとするけど、慌てて返した。
「ご、ごめん今家にいなくて…」
『嘘だ。だって部屋の明かりついてるよ?
二階のところ。
この間沙織の部屋だって言ってたの、覚えてない?』
どうやらすぐ嘘は見抜かれたようで。
『……じゃあ、さ。
ベランダ出てきてよ。
沙織が見たい。』
ベランダ。
家に入れるわけじゃない。
私だって優斗が見たくて、笑ってほしくて。
「いいよ……。」
その誘いに乗ってしまう。



