「大丈夫。
考えすぎなんだよ、沙織は。」
誠が優しく笑った。
いつもそうやって笑って、優しくしてくれて。
私を安心させてくれる。
「ちゃんと優斗に聞けるようにする。
最近まともに話してねぇから。」
「え……?」
「俺も避けられてる。
っていうか、全然会ってねぇよこの夏休み。」
意外だった。
まさか私だけじゃないなんて。
「でも優斗、他の男子とか女子には普通だったよ…?」
「じゃあ俺たちにって、ことか?」
そうとしか考えられない。
でもどうして?
私たちが優斗に何かをしてしまったんだろうか。
傷つけて、しまったんだろうか。
優斗にとって誠は信頼できる相手だろうし、そんな誠を避けるのはおかしい。
それに私だって避けられてる理由がわからないし、無意識に優斗を傷つけてた?



