その不安な気持ちのままチャイムが鳴り、ホームルームが始まる。
その後に始業式なのだが、休んでいるのはやっぱり優斗だけ。
今日は来ないのかな。
なんて思っていたら突然教室のドアが開いた。
そこから入って来たのは久しぶりに見る、優斗の姿で。
「優斗遅刻かよ〜!」
「夏休み明け早々に何してんだよ!」
男子生徒にからかわれ、優斗はいつも通りの穏やかな笑みを見せて「寝坊した。」と返していた。
良かった、いつも通りで。
やっぱりただの寝坊だったのかと安心する。
席に着いた優斗を自然で目で追ってしまっていた私。
ふと優斗がこちらを向いて目が合った。
いつもなら優しく笑ってくれるのに、優斗は……
ふいっと、私から視線をそらしてしまう。



