準備ができて、外に出る。
ナイスタイミングなようで、向かい側から誠が出てきた。
「おはよう。」
誠とは結構会っていたから別に久しぶりって感じがしない。
やっぱり家が近いって重要だよね。
会いたいと思わなくても会えちゃう距離にいるから。
「……はよ。」
どこか眠たそうな誠。
これは私と同じ悪循環な生活してたな。
二人で並んで、駅へと向かう。
「なあ、沙織。」
「何?」
「夏休み、優斗と会ったりしたか?」
突然の質問に驚きながら、私は素直に答えた。
「え……してないけど。」
「連絡は?」
「とって、ない……いきなりどうしたの?」
「いや、別に。」
そう言った誠の態度は不自然で、違和感を覚える。