「何それ…沙織、今どれだけ自分可愛いことしてるかわかってる？
確信犯？」
「なんとなく言いたくなった。
優斗が好きだって。」
事実だし、減るもんじゃないし。
理由はそれだけで十分だ。
「もー、可愛すぎ。
俺にどうしてほしいの？」
「んー、ぎゅって抱きしめてほしい。」
キスとかそういうのは、やっぱりちゃんと付き合ってからしたい。
「俺はキスしたい。
なんなら押し倒したい。」
「お、押し倒すってそんな……無理だよ。」
大体今のでなんのことかは想像つく。
「なんで？
沙織、俺のこと好きって言った。」
「言ったけどまだ付き合ってない。」
「それ言ったらずるいね。」
だからずるいのは優斗だと、いい加減わかってほしい。
