「あー、ダメだ。
ここが誠の家じゃなかったら絶対我慢できなかった。」
なんて言いながら、身体に力の入らない私をぎゅっと抱きしめる優斗。
苦しいけど温かい。
「誠の家じゃなくても我慢してよ。
そもそも我慢できてない。」
「我慢してる方。
もっとキスしたい、深いの。
ダメ?」
ダメ?って聞き方は可愛いけど、私の耳元で甘く囁いているから確信犯。
そんな下心丸出しの優斗の誘いなんかに乗ってあげない。
「ダメ。」
「えー、ひどいよ沙織。」
抱きしめる体勢のまま、優斗は私の頭を優しく撫でる。
それが気持ちよくて、優斗に身体を預けたままにしていた。
「優斗……」
「どうしたの?」
「好きだよ。」
なんとなく好きって言いたくなって、だけど恥ずかしくなって。
隠すように優斗にぎゅーっと抱きついた。



