じっと目をそらさないでいたら、優斗の目が大きく見開かれる。



そして嬉しそうな、でもどこか切なげに笑う優斗。



「ありがとう。


……ごめんね、こんな空気にして。
今日はもう帰ろっか、送ってくよ。


俺から誘ったくせにごめん。」



そう何度も謝らないでほしい。



泣きそうになる。
これでも堪えてる方。



「ううん、大丈夫だよ。
優斗こそ、話してくれてありがとう。」



そう言って笑ってみせる。
大丈夫、きっと自然に笑えてるから。



「沙織……」



「さっ、帰ろう!
ほら、優斗が暗いと調子狂っちゃう。」



いつもの甘える優斗じゃないと。



今だってそんな悲しそうに私を見ないで。