「なんで…?」
それって遠回しに無理だって言ってるんじゃないの?
それともまだ優斗は……私に隠してることがある?
今さっき私に話してくれたのが全部じゃ、ないってこと……?
「ごめん、今は言えない。」
今は言えない。
その言葉、前にも言われたことがある。
やっぱりまだ私の知らない優斗がいるんだ。
「じゃあ、いつまで待てばいいの?」
「わからない。
だから……怖いんだ。
沙織が離れるんじゃないかって。」
どうやら本気でそう思っているようで。
そんな優斗の表情を見て、私は一度、不安になった心を取り払った。
だって、そんな軽い気持ちじゃない。
本気で優斗が好きだから。
なら私にできることは……
「……待つよ。」
「え……?」
「私、待つよ。
この気持ちは絶対変わらないから。
本気だから、優斗が応えてくれるまで待つ。」
待つことしかできない。
優斗は私のこと嫌いとか、そういうのじゃないんだって。
ちゃんと伝わったし、信じて待ちたいと思った。



