「……沙織、泣かないで。」
「泣いてない……」
首を横に振る。
「ごめんね、重い話しちゃったよね。」
「そんなこと、ない……話してくれてありがとう。」
知らなかった優斗のこと、知れた。
あまり他人に話したくないことを、私に話してくれた。
それに対しては嬉しかったんだよ、私。
それ以外は苦しくて、悔しかったのだけど……
「ねぇ、優斗。」
「ん?どうした?」
私が泣いたからだろう。
優斗が優しく私を見つめる。
「……優斗は、要らなくなんかない。
私は優斗が必要なの。
私の変化にいつも気づいてくれて。
助けられたんだよ、何度も優斗に。
支えられてた。」
何度もその優しさに救われた。
そんな優斗のことを、どんどん好きになっていく一方で……
「私、ね。
いつの間にか、好きになってたんだ優斗のこと。
優斗が好き。好きなの。」
私から先に好きって言わないと決めてたけど、そんなこと今はどうでもいい。
伝えたかった。
ちゃんと、今の優斗に。



