“好き”がほしくて〜恋人未満のこの関係〜





私の言葉に驚いたのかどうかはわからないけど、力が弱まったからその隙に逃げる。



部屋を出て、まずどこにトイレがあるのかも知らない私はとりあえず一階に降りる。



少しして落ち着いてから戻ろう。



そう思っていたら……




ガチャリ、と突然玄関のドアの鍵が開く音がした。




誰だろう?



なんて思いながら見ていたら、開いたドアから一人の女の人が入ってきた。



綺麗な人。



第一印象がそれで、優斗のお母さんかな?と思った。



確か一人っ子だったはず……って、あれ?
どうだったっけ?



私自身わからなくなって固まっていると、女の人も私を見て固まってしまった。



女の人はすごく綺麗でまだ二十代じゃないかってくらい若かった。



じゃあ、お姉さん?
それとも優斗と遊んでる女の人、とか…?




そう思ったら胸が痛む。




だけど家族の人なら失礼だと思い、慌てて頭を下げる。