「第一、私を隔離するほど仲のいい男いないし。」
「いるよ、一人。
誰も踏み込めないほど信頼関係があるやつが。」
一人。
その言葉で誰かは想像できた。
「だから誠は幼なじみだって。
逆にそんな心配するってことは優斗、自分に自信ないの?」
こんな完璧人間だっていうのに。
その上人当たりもいいし。
誠みたいな簡単に近づけないオーラを放っていない。
どちらかといえばみんな優斗の方が仲良くしやすいはずだ。
女子は特に。
優斗も誠みたいに女嫌いだったらいいのに……って、今の私醜い。
嫉妬だらけの女なんて面倒くさいだけだよね。
「ないよ、自信。
自信なんてあるわけない。」
その時、どこか弱い声で優斗は言い、抱きしめる力をまた強めた。



