「でもなんでいきなり?」
不思議そうに聞く優斗だけど、できればそれは聞いてほしくなかったな、なんて。
「なんとなく。」
別にこの間誠と行った映画も優斗を誘うつもりでしたから!
今日だけじゃないし、と自分に言い聞かせる。
「そっかぁ。
でも沙織の思ってるデートは無理だ、ごめんね。」
申し訳なさそうにする優斗。
これは、断られたってこと…?
少なからず傷ついてしまう。
ちょっと期待してしまったから。
だってあんな嬉しそうに笑うから、いけると思うに決まってる…!
「そっか、優斗忙しいもんね。」
断られたのは悲しいけど笑顔を作っていつも通り返したつもり、なのだけど…
「そんな悲しい顔しないでよ。
ちゃんと話聞いてた?」
どうやら顔に出ていたようで。
って、ん?
今優斗なんて言った?
ちゃんと話聞いてたって……どういうこと?



