ーーーそれから家の最寄りに着き、家へと向かう。
その間も心地の悪い沈黙が流れていて。
いつも何話してたっけ。
ご飯食べた後までは普通に話してたのに。
ちらっと誠を見るけどやっぱり誠の表情は変わらず。
この時ばかりは誠のポーカーフェイスを恨んだ。
だって本気で表情が読めないから腹が立ってくる。
その後も何も話さず家が見えてきた。
このままバイバイして、また月曜日にはいつも通りの関係に戻ってるのかな。
ううん、違う。
戻ってるんじゃなくて、私だけが気にして誠は無理にでもいつも通りに接してくると思う。
今日のことはなかったことにするだろうな。
……じゃあ、このまま何もなかったことにしていいの?
ダメな気がする。
これはもしかしたら誠の隠してることを知るチャンスなのかもしれない。
家はもうすぐそこ。
意を決して誠の方を向く。
そしたらタイミングよく誠も私の方を見て……
「なぁ、沙織。」
私より先に誠が口を開いた。



