お前ら、倒す?



不良を卒業した誠を今更倒す必要なんてある?



それとも同じ不良グループかなんかで、仲良かったからその腹いせとか?



考えれば考えるほどわからなくなって答えはでない。



「沙織、帰るぞ。」
「あっ、うん…!」



誠が私の名前を呼び、我に返った。



なんか最近、こんなことばかりだ。



どうなってるの?
誠は一体何を隠してる…?



不安は膨らむばかり。



朝の怪我も、今のことも気になるけど誠は何も話そうとしない。



聞いてもきっと教えてくれないだろう。



なんだか今日、私の感情の変化がすごい気がする。



今は不安が強くて、どうしたらいいかわからなくて。



結局何も聞けずに微妙な空気のまま、私たちは電車に乗って家へと向かった。