“好き”がほしくて〜恋人未満のこの関係〜





しばらく歩き続けると人気が少ない場所までやってきた。




そこでようやく私は気づく。
誰かにつけられてるということに。





しかも……




「一人じゃない?」




なるべく小さい声で誠に話しかけると、誠は私の方を見て頷いた。



「まあ四人ぐらいだな。」
「よ、四人も……?」



私、二人くらいしかわからなかったんだけど。



「ねぇ、つけられてるのにこんな人がいない道来ていいの?」



「逆につけられてるから人がいない道通るんだろ。」



「どうして?」



「そのまま電車乗って家帰ってみろ?
家が特定される上に沙織にまで危険が及ぶ。」



い、家が特定される……!?



そ、そこまでするんだ…。
それに私まで危険な目に遭っちゃうの?



「でも、人が少ない道通ったからって意味なくない?」



「あるに決まってんだろ。
じゃあ次そこ曲がるぞ。」



そう言われ前を向くと、一直線になっていて右にだけ曲がれる道があった。



私は誠の言う通り右に曲がる。



すると……



「ま、誠…!
ここ行き止ま」



「いいから。早く進め。」



曲がった後の道は少し進むと行き止まりで。
これはもう自分から追い詰められに行ってるの?




そんな私をよそに、誠は私の腕を掴み歩き出す。



ついには行き止まりの壁までやって来た。
もしかして登るとか?



いや、絶対無理でしょ。