“好き”がほしくて〜恋人未満のこの関係〜





誠の行動が理解不能で、目を開けて睨もうと思った。



でも額を合わせられてるから想像以上に誠が近くて、顔があついのは変わらない。



ドキドキうるさいし、私もおかしいみたいだ。



「誠が変なことするから…」



「誰がやってもこうなったら終わりだな。」
「さすがにそれはないよ……」



誰がやってもこうなるわけじゃないに決まってる。



だからこそ戸惑ってるのだ。



そう、多分今まで幼なじみとしてしか誠のこと見てなかった。



でも最近は誠のことを男の人だと感じることが多くなって、もしかしたら私……




一人の男として意識、してる……?



「バカだな、本当。
沙織がこんなんだから優斗も重くなるんだよ。」



なのに誠はいつも通りで私をバカにしてくるし、表情一つ変えないまま私から離れた。



いや、呆れた顔に変わった。
呆れ顔で私を見てきた…!!



くそー、なんで私だけこんなドキドキした意識してるんだろ。



バカみたいだ。



ていうか誠の方が悪い!
いきなりこんなことしてくるし、それに……



明らかに男の顔してた。



でも誠は私をからかっただけ。
そう思えば腹が立ってきたよ。



別に期待してたわけじゃないからむしろ安心したんだけどさ。