ーー昼休み
今日は美香が購買でパンを買うため、一緒についていった。
「うわぁ、人が多い。」
購買では多くの人が並んでいて、すでに大混雑。
美香はその混雑さを見て嫌がっていた。
「ごめんね沙織。
ついてきてもらって。」
「全然大丈夫!気にしないで。」
「本当にごめん!
すぐ買ってくる!」
そんな謝らなくていいのに、なんて思いながらも人混みの中に入っていく美香を見届ける。
私は人の邪魔にならないよう壁際の方に移動した。
その中で美香が帰ってくるのを待っていると……
「あれ、森下?」
と、誰かに声をかけられた。
声がした方を見れば、一年の時に同じクラスだった男子が私を見ていた。
「あ、宮川(みやかわ)だ。」
と私が名前を呼べば、宮川は笑顔を浮かべ男子集団から抜け出して私の元にやってきた。



