「私だってそんな寝てないし。」
「あっそ。」
あっそって……冷たいなぁ。
なんて思いながら、今自分は映画を観ていることをすっかり忘れていて慌ててスクリーンに視線を戻した。
ダメだ、ダメ。
映画に集中しないと。
私の観たかった映画なのだから。
と、思いせっかく集中し直したところで……
熱いキスを何度も交わし、まだまだ子供の私にはすこーし濃厚なシーンになりまして。
こういうのってガッツリ観るべき?
結構恥ずかしい。
なんだか観ていられなくなって、視線のやり場に困っていたら……
「……ふっ、なんで沙織が照れてんの?」
「……っ!?」
誠に声をかけられる。
誠の方を見ると、私を見て笑っていて。
「こういうの観るの、恥ずかしいんだな?」
……どうやら仕返しらしい。
可愛いと言い過ぎたこと、相当根に持っているのか。
「で、でも誠だって恥ずかしいでしょ!?」
「いや、こんな感じのいつも間近で見させられてるから。」
「……はい?どういうこと?」
「言っとくけど、沙織と優斗も周りから見たらこんな感じだから。」
さらっと話す誠だけど、今とんでもないこと言わなかった!?
「えっ、ちょ待っ……本当?
冗談だよね!?」
「本当に決まってんだろ。
堂々とイチャついて、周りも目のやり場に困ってると思うけど。」
う、嘘でしょ?
じゃあ相当恥ずかしいことしてるんだよね?
私っていうより、優斗がね!
「……優斗にやめてって言おう。」
「そんなんであいつが聞くと思ってんの?」
「思わない。」
絶対優斗のことだ。
やめてくれるわけないだろう。
むしろ悪化するかも。
照れたりする私を見るのが好きそうだから。



