“好き”がほしくて〜恋人未満のこの関係〜





でも……



「まーこと。」
「……。」



まだ怒っているようで不機嫌。
眉間にしわ寄ってるし。



そんなに悪いことした?



まあ女嫌いの誠だから怒って当たり前か。



でも幼なじみだから大丈夫かなって、安心したんだけどなぁ。



あとで謝ろう。



そう思いながら私たちはチケットに書かれた席に移動し、座る。



その間も沈黙なわけで。



ちらっと誠を見るけど何か考え込んでいるような、険しい表情をしている。



我慢してるのかな?
怒るの。



それなら結構本気で怒ってない?



なんか映画どころじゃなくなってきた。



今まで私から怒ったことはあるけど誠からガチギレされたことはない。



初めて怒らせちゃった感じ?



「ねぇ、まこ……」



誠、と言いかけた時館内が暗くなる。



映画が始まる合図で騒がしかった館内が静かになる。



タイミング悪いな、なんて思っていたら……



「……っ!?」



突然誠が私の肩に手を回して引き寄せられる。




いきなりのことで驚き、何が起こったのか理解できない。