“好き”がほしくて〜恋人未満のこの関係〜





「次バカって言ったらその痣のとこ殴ってやる。」



「……心配してくれたんじゃなかったのかよ。」



「幼なじみを大切にしない人には優しくしません!」



「都合のいいやつだな。」



もうすっかり元通りになっちゃったよ。



そりゃ怪我が気にならないかって聞かれたら頷けないけど。



「……あっ!」



そんな時、ポップコーンなどを売っている売り場が目に入った。



「誠、映画といえばポップコーンだよ!
買いに行……って、見て!


カップルは本日限り全品半額だって!」



確かによく見てみればカップル率が高い、かも?



「だったらなんだよ。」
「そりゃカップルのフリするでしょ!」



どうやら女が男の腕組むか、男が女の肩を抱き寄せるかのどっちかだけでいいらしい。



あとは店員の自己判断でカップルかどうか判断するって……まあいけるか。



「絶対無理。」
「えぇっ!?なんでよ!」



なのに誠は拒否してくる。
半額になるんだよ!?



「俺が全部買ってやるから。
恋人のフリとか絶対ごめんだ。」



そ、そんな全力拒否しなくても……。



でも買ってくれるって、さりげなく優しさを見せてくれたよね!?



「じゃあお言葉に甘えて!
そんなに恋人のフリ嫌なのか。」



まあ誠は女嫌いだもんね。