ーーー次の日
一応誠は肯定してないので、もしものため三十分前に誠の家に行く。
すると誠ママが出てくれた。
「あら、沙織ちゃん。」
「おはようございます。」
「おはよう。
確か誠と映画行くのよね?」
「あ、誠から聞いてたんだ!」
「たまたま今日の予定を昨日聞いたのよ。
そしたら沙織ちゃんと映画行くって。
無理矢理って本人は言ってたけど。」
嫌なら行かないわよね、と言って誠ママは小さく笑う。
「誠は優しいから、断られないんだよね。」
「そうかしら?沙織ちゃんにだけかもよ?」
「いやいや、誠の優しさはみんなに評判なんだよ?」
誠ママと二人で軽く話した後、家の中に入れてくれた。
「誠、今部屋にいてるわ。
もう起きてるはずよ。」
「寝てたらダメだから見てくる!」
「そうね。行ってらっしゃい。」
誠ママに笑顔で見送られながら、私は階段を登り誠の部屋へと行く。



