「もー可愛すぎ。
このまま持ち帰りたい。」



「なっ……!」



途端に警戒のため、優斗から離れる私。



「えー、沙織離れないでよ。
寂しい。」



「一応電車の中なんで!」
「でもさっき離れなかったくせに。」



う……!
そうだけど、そうだけど!



「あ、泣き止んだー。
泣き顔も可愛かったのに。」



「ば、バカ!
そんな気持ち悪いこと言わないでよ!」



恥ずかしくなって、顔があつくなる。



いつもの、優斗だ。
また胸がドキドキする。



今までの不安が嘘のよう。



それだけ優斗が好きなのだ。
本当に単純。



「さーおりっ。」
「何?」



「また学校でもそれ以外でもラブラブしような。」
「却下!こっちの身にもなってよ。」



「えーっ。
まあ無理矢理するけど。」



ああ、そうだ。
優斗は私の意見とか一切無視だからな。



本気で嫌がらない私も私なんだけど。



「沙織。」
「今度は何?」



「沙織が目の前にいるのが嬉しくて。」
「……っ。」



こいつはなんでいつもこう、私をドキドキさせるかな!



なんか優斗の甘さがグレードアップしてる。



でも、そんな甘くなった優斗を見て
私はひどく安心したんだ。