「……はよ。」
誠は私を見るなり挨拶するから私も返した。
「おはよう。」
私は家の鍵を閉め、誠の元へと行く。
そしたら誠は何も言わずに歩き出したから私もついて行く。
「ねぇ、誠。」
「どうした?」
「なんでいきなり?」
どうしても気になったから聞いてみた。
少し、期待してる自分がいたのかもしれない。
優斗と久しぶりに会えるって。
それも電車の中で、会えるんじゃないかって。
「……優斗が、沙織に会いたいんだって。
それからやっと落ち着いたから、これからまたいつも通りでいける。」
誠はさらっと言ったけど、私にとったら重大なことだ。
何故か勝手に涙が溢れてくる。
「……泣くなよ。」
「だって……」
不安しかなくて、悲しくて。
何も知らないから余計にマイナスな気持ちが募っていった。
その上誠も教えてくれないし、何か隠しでいるようにも見えた。
誠の場合、優斗に口止めされてるっていうのはわかってるんだけど。



