「一回勝てたら勝てるでしょ。
頑張りなよ。」
『えー、じゃあ沙織ご褒美くれる?』
「ご褒美?」
なんで私があげないといけないんだ。
『そう!沙織からキスしてく』
「却下。じゃあ万年二位で大丈夫です。」
『えー、なんでー。』
いつもの軽い調子で返してくるけど、私にとっては十分重いことだから!
私からキスとか無理!
『沙織。』
「今度は何?」
『どうしよう、今すっごく会いたい。』
こいつは、すぐ私をドキドキさせる。
本当に天才か。
「でも無理なんでしょ。」
『うん、無理なんだ。ごめんね。』
ごめんねって、私も優斗に会いたいのがバレてる。
『生まれ変わったら俺、誠になりたい。』
「優斗は優斗でしょ。」
誠になったとしても優斗なのに変わりない。
『また落ち着いたらラブラブしようね。
あ、俺の家おいでよ。』
「絶対何か企んでるから無理。」
『えー、何もしないって約束するから。』
「いや、怪しいでしょ。」
優斗は約束破りそうな気がする。



