“好き”がほしくて〜恋人未満のこの関係〜





「失礼します。」



と言って職員室を出た後、教室に向かう。



今日はついてないのかな、なんて思いながらふと窓の外を見てみると……



「………は?」



そこには信じられない光景があった。



誠が数人の男子に囲まれていたのだ。



もしかして喧嘩!?
それとも一方的にいじめられてる!?



これは助けに行かないと!と思い、書類を持ったまま急いで向かう。



そこは放課後人通りの少ない目立たない中庭で、優斗に初めてキスされた場所と同じだった。



そして、そのまま勢いで飛び出ようとしたその時……




「なぁ、優斗まじでやべぇよあいつ!」
「本気で森下危険だと思うんだ。」



優斗……?
その言葉に思わず足を止める。



しかも一人は聞きなれた声で、壁に体を隠してそっと覗いてみれば案の定、宮川もいた。



顔色はあまり良くなくて、数人の男子は誠に訴えているようにも見える。



……って今、宮川さ
私が危険って言わなかった?聞き間違い?