「本気?」
「え?」
「今言ったこと、本気?」
耳元で囁くように言うその声は、土曜日誠と二人の時の声と同じだった。
いつもの優斗じゃない。
「いきなりどうしたの……?」
「俺の質問が先。」
どこか怖い。
優斗を怖いと感じてしまう。
その声も、力だって。
「本気以前にできるわけないじゃんか、こんな私に!」
なのに優斗はなんで本気にするかな。
「……はぁ。」
そんな時、優斗は小さくため息をつく。
それはどこか冷たい。
「沙織ってわかってなさすぎ。」
「なにが?」
「俺がどれだけ裏で苦労してるか。」
「苦労?」
ダメだ、全然話が見えない。
何を言いたいの?
「聞きたい?」
何故か、寒気がした。
無意識に身体を震わせる。
「聞きたく、ない……」
「そっか。知らない方がいいよ。
自分でもやばいなってわかってるから。」
そ、そんなことを裏でやってるの…?
もしかして喧嘩、とか…?



