葉汰は、半日を保健室で過ごし、1日を終えた。
帰り支度を整え、保健の先生に、もう頭は痛くないことを伝え、靴箱に向かうと、奏時が、いた。

「あ、ようちゃん。よかった…もう帰ったと思った」

「…え、カナ…待ってたの?」

「ようちゃんの、お友達に聞いた。頭打ったって、大丈夫?」

「…うん?もう、大丈夫。だって、頭を打った記憶ないし」

葉汰は、今の奏時と昔の奏時をまだ信じられずに、上手く話せなかった。

「保健室行けたらよかった」

奏時は、泣きそうな顔をした。
なぜ、そんな顔をするのかわからないままの葉汰だった。

「かな…帰ろっか」