もうっ悠乃なんて知らないもんっ


なによりこの場所から早く立ち去りたいっ…!





そう悠乃に言うと、私は独り教室へと走った。





「おはよ~さゆ」


「ちーちゃん~!」





扉の先には私の大好きなちーちゃんが待っていた。





いきなり抱き着く私に、ちーちゃんは少し驚いていたが、笑って受け止めてくれていた。





ちーちゃんを見ると、徐々に自分の心が落ち着いていくのが分かる。





「さゆ~、1つ聞きたいことがあるんだけど」


「ん?」





顔を上げると、ちーちゃんはニヤリとした笑みを浮かべていた。





「朝からイチャイチャしてたんだって?」


「えっ!?」





ちーちゃんの言葉に胸がドキッとした。





「女の子たちが騒いでたよ。日向くんが~って」





もうちーちゃんのところにまで話が回ってるの!?


だから言ったのに~…絶対変な誤解生んじゃってるよっ…!





「イチャイチャなんてしてないよっ!只あれは、悠乃が私のことからかってるだけで…」





必死に誤解を解こうと弁明していると、





「うんうん、話はまた後でじっくり聞かせてもらおうかな」





そう言ってちーちゃんは教室の扉の方を指さした。