「そんなに心配しなくても、日向くんならきっと大丈夫だよ」





そう言うと、那津くんは「じゃーね」と手を振って中庭を出て行ったのであった。





1人取り残された私は、若干放心状態のまま再びベンチへと座った。





那津くんの言ってたことってどういう意味なんだろう。





さっきの口ぶりからして、何か知ってるみたいだったし。





…ちーちゃんも那津くんも、何か知ってるなら私に教えてくれてもいいのに!





私はハァと大きなため息をついた。





いっぱい頭使いすぎちゃってなんだか疲れちゃった。





…それにさっきの那津くん、いつもの那津くんとはちょっと様子が違うような?





うーん、私の思い過ごしかな。


那津くんは那津くんだし、いつもみたいに優しいし。





私は頭を悩ませながら教室へと戻ったのであった。