俺は、物心ついたときからずっと絵と一緒だった。

小学1年生のときに亡くなった母親に教えてもらった絵。

それが、中学2年生のときに突然描けなくなった。

通りすがりの人を助けて交通事故に遭って、右手を負傷してしまい、描けなくなった。

今はもう怪我なんてとっくに治っている。

だけど、描くのが怖い。

だから俺は描けない。

絵を描けなくなった日から、俺の世界は黄色から真っ黒に変わった。

失明した人と同じ、真っ黒で何も見えない、光のない世界。

俺はもうこれでいいと思ってる。

絵を描く日々なんか、もう送りたくない。

送るものか………。

そう思っていたのに……。