イン a ドリーム ■

目と、力なく伸ばした手がそれを追う。









だが、伸ばした手は虚しく空をかく。









スイッチは一段高くなったコンクリートにぶつかり、ランプを赤く点滅させて弾むと地面へと落ちた。



ランプが赤く点滅した理由は考えなくても分かる。



塔の時計が10時を指して、チャイムが鳴り出した。



それは、私にとって終わりを告げているようだ。



やり残したことはたくさんある。だって私、まだ高校生なんだし。大学行って、就職して、恋をして、結婚して、子供も…



目に涙が滲む。



こういう時って、走馬灯を見るもんだと思っていたけど、思い出したのは何故か…