それから数分後…。

私は今、何が何だかわからないという
表情を浮かべている。

その理由は…

「ねぇ原谷くん。勉強できないって、
本気でいってるの?」

「え、あぁ。なるほど。
うん。出来るよ。本当は。」

ふざけてんのかこいつ。

「じゃあ、どうしてあんなお願いしたの。」

そう聞けば、
彼はあっけらかんとこう言った。

「一緒に勉強する相手が欲しかったから。」

他当たってよ、と言ったが、
彼は聞く耳を持たなかった。

仕方なく、とりあえず一ヶ月だけという
期間限定ということで、話は落ち着いた。

でも、よくわからない。

彼はクラスでも人気のある、
イケメン、に分類される生徒だ。

彼と一緒にいたい人なんて、
いくらでもいるではないか。

そんなことを思っていたら、
口を滑らせてしまった。

「それなら、友達でいいのにな…」

急いで今の無し!と訂正するが、
それを聞く原谷くんは、なんだか楽しそう
で、よくわからないな、と思った。