学校だと場所がないから、
という素敵な理由によって、
カフェで教えることになった。

あまり浮かない気持ちで、
カフェに向かって歩く。

遠いなぁ。

そんなことを思いつつカフェに
到着した。

原谷くんはというと、
驚くことに、私より前に
ついていたようだった。

またせた、かな。

申し訳ないな、と思いながら
アンティーク調の小洒落たドアに
手をかける。

「原谷くん、おまたせ。」

そういうと、原谷くんは
ニカッと笑いかけてくれる。

「お、来た来たじゃあさっそく…
いいかな?」

その問いかけにもちろん、と応えて
席に着く。

適当に飲み物を注文して、
初めての授業は静かに始まりの時を迎えた。