「俺の、先生になって下さいっ!」

そう言って頭を下げる原谷くん。

え?え?え???????

「え?いや、え?」

「だぁかぁらぁ、俺に勉強教えて!
お願いっ!」

どうしてこうなった。

「え?なんで私?」

「頭いいから。」

普通だと、思います。

いいたいことばかりが喉に
ひっかかってでてこない。

そしてぽろっと出てくるのは
こんな言葉。

「どうしても?」

「どうしても。」

「わかった。」

心が追いつく前に話を決めてしまった。

そうして、放課後の少しの時間、
彼こと原谷くんに勉強を教えることに
なりました。

うまく、できるかな?

私に務まるだろうか、
本当に私で、よかったのだろうか。

うぅ。不安だ。

それからの日々は本当に忙しくて、
悩む時間すらなかった。

そんななか、初授業の日を
迎えたのでした。