朝の賑やかな校内。

各々が楽しそうに会話をしている。

その中を歩く私はというと、
誰とも話してはいない。

理由なんてない。

話す理由も、話さない理由も。

別に容姿が特別醜いとか、
そんなことはない、はずだ。

それに、話しかければ、
話すこともできる。

でも、わざわざそんなことをする人は
いない。

みんな、私と同じで、話す理由
がないなら、はなしかけてこない。

私はまさに『空気』といった
イメージだろう。

それでいい。

目立ったっていいこと
ばかりじゃない。

それなら、目立たない方がいい。

中学までは、
友情とか、愛情とか、なんでも
信じて疑わなかった。

友達もたくさんいた。

告白だってされたりした。

ただ純粋で。へらへら笑っている
だけで楽しくて、幸せだった。


それが嘘だと知るまでは。