私は桜ちゃんと一言も言葉を交わさず

誰も使っていない

理科準備室に連れて行かれた

ついた瞬間に桜ちゃんは

私の方を振り返って

「あのさぁ、あんた朔くんのなんなわけ?」

「え?」

思いもよらない事を聞かれた

「だから朔くんのなんなの?」

「え…と、朔は私の幼馴染だよ」

「ふーん」

桜ちゃんはなにか言いたげだった

「だったらなんであんなにベタベタしてるの?ハルちゃんもしかして朔くんの事好きなの?」

「ッ!」

私はカッと顔が熱くなった

「そんなわけ…」

「ないわけないよね?」

確かに私は朔に

『お前って好きな奴いんの?』

『じゃあ朔はいるの?』

『お前…って言ったらどうする?』

って時から私は朔の事を意識し始めていた

ううん…。もっと前から好きだったのかもしれない…

「ねえ…どうなのよ!答えてよ!好きなんでしょ?」

「好きじゃないよ!!あんな奴!」

私は自分が何を言っているのか

理解できなかった

「へぇーじゃあ、よかった!それだけこれからもよろしくね!ちなみに私、朔くんの事好きだから!じゃあね」

桜ちゃんは後ろを振り返って歩き出した

するとまた桜ちゃんは私の方を振り向いて

「あ!あと、もう朔くんとは関わらないでね?じゃなきゃ、朔くんがどうなっても知らないからね?じゃ!」

と、言いながら桜ちゃんは手を横に振って

帰って行った

私は呆然と立ち尽くしていた