車は病院の玄関近くに 止まった。 でも私はなぜか そのカーステレオから 流れてくる音色に 引き付けられていた 兄が、ぼーっとしている 私にかけた 早く降りろ、と ゆう声で我に返った。 帰りは歩くから 心配しなくていい と、兄に告げ車の ドアを閉めた。 まだ頭に残って 鳴り止まない バイオリンの音色 結局、ボーカルの 歌声は聴けなかった。