小さな百合の花

長くて眠い研修も無事終わり、残っているメンバーで遊園地を楽しもうということになった。

ひととおり楽しんだ後、事務所に戻ると私服の男の子が一人、真ん中にある机に向かって座っている。

私より年上に見えたその男の子は、先輩かと思ったので大きな声で挨拶をする。

「おつかれさまでーす」

そんな私に怪訝そうに会釈をする彼を見て、こんな爽やかで素敵な人がこのバイト先で働いていることに幸運を感じた。

なんせ、中学高校と女子校で育ってきた私だったから男の子にあまり免疫がない。

この状況下でなら、男の子と自然に仲良くなれる。

そんなことに幸運を感じながら家に帰って仲のいい母親に報告する。


「今日さ、事務所にめっちゃかっこいい男の子おった」

母はふっと鼻で笑うと「しょーもな」という一言を残して皿洗いを続ける。

それでも私の興奮はおさまらなかった。