小さな百合の花

出てから駅に着き、電車に乗り込む。


電車に乗り込むと話題がなくなり、静寂とする4人。

そんな静寂をつくられると色んなことが思いだされて、悲しさが倍増する。


みんなはそんな私に気づいてくれていた。

すると、次の駅でカップルは降りていった。


「2人でゆっくり話した方が、なにかとええやろ」


と言って降りていったカップル。


あいつと私、2人だけ。

あいつには何でも打ち明けられる。

隣に居てくれるだけで、落ち着く。


涙を浮かべながら揺られる車内。

もっと先の駅まで一緒にいられると思っていたのに


「あ、俺、用事あるからこの駅で降りるわ」


とあいつは、すぐさま降りていった。

なんだ、冷たい奴。


なにかしら期待をしていただけに、悲しくなる。


ホームに降りていくあいつを、見ながら薄情な奴、と何度も思った。


しかし


目で彼を追っていると、目の前のドアから降りて、隣の車両のドアからまた入ってきた。


発車します。と流れる車内アナウンスと同時に締まる扉。

けれど彼は電車の中。

え?


「こんなお前のこと置いていくわけないやろ」


と笑う彼。

いじわる、とふてくされながら、こいつが親友でよかったと本当に思った。