小さな百合の花


私の男の子リストから最短で外された奴は、それから私の中にどんどん入りこんでいった。

同期でしかもシフトがよくかぶる事が私たちをまずそうさせたんだろうけど、それよりも奴は私とかなり気があった。


考えることや、やることが同じで誰よりも分かってくれる存在。


そして観覧車の2人体制でよく1時間かぶるようにもなった。

観覧の2人体制はかなり仲良くなれる場所。

平日は客がこなくてかなり暇だし、奴とはずっと喋っていた。

そんなある日。

私には好きな先輩がバイト先にいたんだが、その先輩が女と腕を組んでいるところを偶然発見してしまった。

こんな偶然認めたくない、と当時は思っていたけど今ではあれは必然だったように思える。


その先輩が腕を組んでいた女は同じバイトの先輩だった。

それもまたショックが大きかったのかもしれない。


私はこの大ニュースを奴に伝えた。

観覧の2人体制のとき。


「あの2人付き合ってるみたい」

「嘘やん?!まぢで?」


と驚く奴からは落胆の色が感じられた。


暗い顔をする奴が

「俺お前に秘密にしてることがあるんやけど」

と言う。


「どないしたん?」

隠し事なんて無しやわ、と言う私の耳元に奴は囁いた。

「実は俺さ、その女の先輩好きやってん」


私は驚きのあまり爆笑してしまった。

まさか、と思っていたことが目の前で起きているから。

私は男の先輩が好きだったことを奴には明かしていなかったからこのときに思い切ってカミングアウトした。


「実は私は男の先輩好きやってん」


このあとは2人で大爆笑。

失恋が悲しくないものだと思ったのはこれが最初で最後かもしれない。


「俺らある意味共通点ありすぎやろ」


と笑う奴を見て、こいつとは一生やっていけそうだと思った。